奮闘編・1
しかし日ごろ復讐などしたことが無い僕。
一体どんな方法で復讐すればよいのか…。
悩んだ挙句、とりあえず相手に害を与えることをしようと決めた。
とりあえずドライヤーだ。
ドライヤーの強烈な熱をかけ続ける、すると天井は熱くなる→二階のアホどもの足も熱くなる→立つ場所が無くなる→僕に今までの無礼を謝る。
完璧すぎる、自分でもびっくりした、僕にこんなどす黒い一面があるとは思いもよらなかった。
ドライヤーをホットにして、最高の熱を天井にかけ続けること10分。
疲れた。
バンテリンをぬっても、僕の衰えた筋肉はほぐれない。
陳たちはなぜこの薬にあんなに感謝してるのか分からない。
次の方法を考えよう。
熱は伝わりにくい、今度は匂いでいこう。
ファブリーズを吹きかける、ライムの匂いが二階へ充満する→ライム嫌いなやつらはほとほと参る→僕に土下座する。
すばらしい、僕はなんでこんなに簡単に復讐方法を考え付くのだろう、自分が敵でなくて良かったと思う。
霧状の良い香りを天井に吹きかけるとこ数十回、僕の部屋はさわやかな空気に満ちた。
それだけだった、やつらは相変わらずうるさい。
だめだ、このままではだめだ、もっと的確な方法を考えなくては。
そこで考えた、逆の発想でいこう、あいつらに害を与えようと思うからますます付け上がるのだ。
小学生とかそんなのが多い、やめてよ!というから女の子の髪の毛を引っ張る、あいつらは小学生並なのだ。
そこで思い付いた、そうだ、あえて応援しよう。
「頑張れ、二階!」僕は声をあげ、熱心に応援した。
ダイエーのメガホンがこんなときに役立つとは思わなかった。
僕に応援されたやつらは→興ざめする→我に帰る→僕に服従する
そう、応援するというガンジーにも勝る無抵抗主義(こんな言葉、大学に入って初めて口にした)を貫いたのだ。
応援すること10分。
だめだ、やつらの叫び声はますますでかくなるばかりだ…。
こうして僕の復讐計画第一陣はもろくも崩れた。
まあこれは肩ならしだ。
次からは、容赦しない、畳み掛けるような復讐の波状攻撃が待っている。