最近ちらほらと、主にネットで見かける言葉で「自宅警備員」というやつがあります。
これ、はじめ聞いた時ピンとこなかったので調べてみたら、ニートのことなんですね。
なかなかセンスの良い名付け方ですね。
女の「家事見習い」があるなら、男の「自宅警備員」だってあってもいいのかもしれません。
小型犬程度の番力もあるかどうか疑わしいですが。
ところでニートだか自宅警備員だか知りませんが、メディアで時々見かける彼らが妙に自信たっぷりだったりするのが、いつ見てもおもしろいなあ、と。
「働くなんてバカみたい」みたいなことを20~30歳くらいのいいオトナが言っていると、シュールなジョークのようにも見えます。
当然浮かんでくる疑問として、「働かなくて、お金どうすんの?」というのがありますが、顔を見ればジゴロになれる風体とも思えず、デイトレードで稼いでいるような気配もありません。
となると、答えはおのずと「親に依存している」ということになります。
うーん、親のアガペー力を頼って生きている人間が、なんで自信をもてるのか、普通に考えると頭が混乱してしまいます。
が、うがった目で見てみると、「オレが生きていける=親の経済力・包容力が優れている=親はすばらしい」という帰納的な発想から親を敬っているとも見て取れます。
おそらく彼らは、メディアに向けては「働くなんて……」など強がっていても、自分を保護(飼育)してくれている親には牙を向けないはずです(本当か?)。
なんせ居なくなると、生きていけませんからね。
これは我が国がいつの間にか失ってしまった尊い道徳心、「親を敬う気持ち」の体現であり、自宅警備員とはある意味「子どもの理想的な姿」と言えるかもしれません。
すばらしいですね、自分が親ならすぐダンボールに詰めてハローワークか中国の肉まん屋に送り付けますが。
ところで「ニートは現在の闇で……」、みたいな言われ方をしますが、「働かない人間」なんて昔っからいたような気も。
近いところだとヒッピーやらフーテンやら、今のニート的なポジションの人間はごろごろ居たはずです。
むしろ完全失業率5%程度、という国民ほぼ労働者時代というのは、おそらく過去の歴史からして稀有な状態なのでは、なんて想像します(東京。
多分、現在において「ニート」という立場がものめずらしい、ある種象徴的(経済的成長に対する虚無だったり)なため、やたらと取り上げられているのかも。
んー、だからといって「今の若者は」の十把ひとからげにされちゃうのも、あまり気持ちのよいことではないので、自宅警備の方々はぜひ違うところも警備するようになってほしいですね。