僕はタバコを吸わないのですが、そのためかつい先日までtaspoなるカードの存在を知りませんでした。
というかなにこれ? オトナをバカにしてんのかな?
目的は表向き、未成年者に喫煙をさせないため、と謳っていますが……。
これで「未成年の喫煙が減りました!」なんて結果を得られると思っていたとしたら、脳みそおめでたすぎですね。
このカードを思いついた人々は、「なんで未成年が喫煙したがるのか」を理解してんでしょうか?
それは「大人のまねをしたい」「大人っぽいことをして回りにそういう目で見られたい」「仲間との関係性で上の位置にいたい」「吸わないとバカにされる」といった理由からでしょう。
それは「自動販売機での購入を規制」したっておさまるわきゃありません。
エロ本読んだことのない18歳未満の男子がいるわきゃないわけで、購入ルートの一部を規正したってなんの効果もありません。
だって、「読みたい」と思っているわけですし、「吸いたい」と思っているわけですから。
こういうのって、欲求の根っこを絶つかルートを全廃する、あるいは購入適切者にしか手の届かない価格にする・購入先情報を提供しないといった方法をとらないと、規制をしたって効果は薄いでしょう(ダメだダメだといいつつ、テレビCMを流すわコンビニで売ってるわじゃあ……)。
タスポ導入後も彼らは何とか手に入れますよ。
私服で店舗購入、くらいなら平和で良いですが、親から盗む、他人から盗む、店で盗む、いじめられっこに代理購入させる、金もらって代理購入する云々になると別の問題が発生するのでは? どうすんだろ、年頃の子がいる家庭。
というかハードルが高くなった分、余計手に入れたくなるかもしれませんね。
と、まるで意味のなさそうなカード。
でもさすがに、超一等級の脳みそを持った国家のマツリゴトを担っている人々が、まるで意味のないものを作るとは思えません。
んではなんでまたこういう無駄なことすんのかというと、よくわかりませんが、単純に考えれば「カード製造業・カード対応の自動販売機製造業などへの税金投下(産業へのカンフル剤)」やら「個人情報の収集」などが本当の目的なんでしょうね。
ひとつカードを作るといっても関わる技術も人もモノもそうとうデカイはずですから、省庁の予算取りの言い分といてはもってこいなんでしょう。
個人情報はまあ、国勢調査も形骸化しちゃってるし、公共サービスを効率的に行いたい立場の人々にとっては大変価値があるのかなあ、と(なんせ登録するというのはイコールニコチン中毒ってことですしね。医療費やらなんやら、そこから推測される数値ってわりと有効なものが多そうです)。
もし理由がそういう部分にあるのなら、いっそ国民全員が加入する身分証明カードなんかを発行すりゃ良いのにね。
そうすりゃあ新しく何かしらの規正をするときも、最悪カード1枚ですむんだし。
(いつも思うのですが、運転免許をとる前って、ほんと、個人証明が面倒でした。タスポなんて作るくらいなら、おそらくほとんどの人が乗れる「自転車免許」みたいなのを形式的に発行して、個人証明書代わりに使えるようにすりゃいいのに、なんて。印紙やら関連産業でお金もぽろぽろ落ちてくるでしょうに)
んー、まあ、個人的にはタバコ吸わないので実害は特に無いんですけれども……。
でも、やっぱりこういうのって気持ちが悪いですね。
何が嫌かって、こういう施策が簡単に通っちゃうというのは問題かと。
タバコだからなんとなく仕方ねえなあ、みたいに思われますが、ひとつ通っちゃえばふたつというのが世の常。
最近だとメタボリックうんちゃらが世の隅々まで知れ渡っているので、そのうち「高カロリー製品を購入するためのカード(Calca-カロカ-)」なんて登場するかも。
国民の健康を守るためです、なんて理由でケーキも買えない、油も買えない。
あ、でも、国が認めた特典保健食品だけはカードレスで購入できますよー、なんでこっち優先して買ってねー、なんて。
国と資本の癒着が広がり、小さな資本やうまく立ち回れない会社は隅に追いやられる、みたいなことも起こったりして。
そんなの想像の域だべさ、と言われそうですが、地デジのカードやらETCカードやらを見ていると、どうも脳みそのとろけたカード行政至上主義者がいるのか、産業界の要請だなんだと色々とウラがありそうできな臭いですね。
まあ、国の施策なんてそもそもそういうものなのかもしれませんが……。
本当にタバコがダメなら法律なりなんなりで販売禁止にすりゃあいいし、それはいきすぎだけれども自動販売機は未成年の購入規正しにくいのでダメだっていうのなら、タバコの自販を禁止すりゃあいいのです。
自動販売機は「手軽にいつでも買える」のがキモなのに、一方でそれを抑制しようってのは二律背反でしょうに。
んーにしても、今時、住民票やら顔写真やら個人情報丸出しで、年金など情報管理がまともに出来ない我らが国家に、自動販売機でのタバコ購入カードをありがたく頂戴にあずかるってのが、そもそも図としてお間抜けですね。
自動じゃねーし。
というか、いるんでしょうか? こうまでして自販使いたい人間なんて?
そういや僕、自販自体、ここ何年か使った記憶が……。
飲み物買いたきゃ小売店で安くまとめて買ったほうがいいですしねえ。
タバコにしたって、まとめ買いしたほうがお得なんじゃないんでしょうか?(よくしりませんが)
日本中の自販がすべてなくなると原発が2基減る、みたいな話もききますし、いっそなくしちゃっていいんじゃねえの? 環境問題的にも、と思うのですがどうなんでしょう?
とまあそんなこんなで色々と不可解なことが多そうなこのタスポ。
ただこのカードの話を耳にして一番気持ち悪かったのは、全国民に関係あることのはずなのに、当事者でないとまるで情報が入ってこなかったことですね。
たぶんテレビCMとかでやってたんでしょうが……(テレビ見ないですしね)。
そのうち、自分の知らぬ存ぜぬのところで色んなことが規正されてる世の中になっちゃうかもしれませんね、うーむ……。
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そういや関係ないのですが、最近の嫌煙ブーム(?)のせいか、割と喫煙者の方々のマナーってよくなっているような気も。
例えば他社を訪ねたり誰かの家に行くと、タバコを吸われる人は大体「吸っていいか?」と確認します。
そうとう各地で虐げられてるんだろうなー、なんて思いながら、他人にこうも蔑まれがちなものをそうまでして吸いたいのはなんでだろう? と思っちゃうのは非喫煙者の意見。
でも最近は、どうも一方的に喫煙者が叩かれているような気も。
非喫煙者は非喫煙者で守るべきマナーがあるわけで。
今は終日禁煙になっちゃいましたが、出張などで新幹線を手配するとき、同乗者に喫煙者がいれば喫煙席をとるのもマナーかと。
喫茶店や居酒屋でタバコ吸いたい人がいりゃあ、非喫煙者から灰皿を頼んであげるのもマナーのように思えます(自分から言い出すのも少々気が引けるでしょうし)。
なんだかあちこちで喫煙者の不満みたいな話があって、喫煙席なのに隣のババアにねちっこくいやみを言われたとかって話を聞くと、非喫煙者のマナーって社会の風潮に乗っかって悪くなっているように思えたり。
そこは認められている個人の趣味なわけですから、双方オトナらしくマナーよく振舞いたいものですね。