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日記 アーカイブ

2007年07月26日

引っ越しました

ええと、先日、引越しをしました。
荒川沿いの難民から、杉並に疎開。
これで大地震が来ても二次災害の洪水で死ぬことはないでしょう。
その前に別要因で死ぬかもしれませんが。

といっても、地震のために引っ越したわけではなかったり。
ちょっと前の家はどこに行くにもアクセスが悪かったり、下の階に住んでいる大家がわりとでたらめだったり、家を管理している不動産屋がわりとでたらめだったりで、こりゃまあ、引っ越さねば、と。

引越し、といっても僕もすっかりおっさんなので、「ああ、僕の人生の1ページを彩った家とお別れか……。この柱の傷は落ち込んでいたときにグーで殴ったときの……」なんて感傷にひたるようなことはありません。

唯一心残りなのは、下の階に住み着いていた猫たちが最近産んだ子猫たちくらいですね。
猫

いやもう、猫の子というのはこう、反則ですね。
もともと猫好きというのもありますが(犬や他の動物も好きなんですが)、猫の子のもふもふ感はもはや罪ですね。
ううむ。

部屋

ちなみに引越し先の部屋、まだ片付いておりません。
しかも困ったことに、ダンボールの半数くらいが本。
もう、重いったらありゃしない。

というか前の家で、ダンボール3箱くらいブックオフの宅本便で売り飛ばしたはずなのですが……。
ちと大き目の本棚でも買おうかなあ。

2007年11月05日

Cintiq 12WXとソフト認証とニコニコ動画の件

Cintiq 12WX

日ごろ絵を描いたりデザインしたりする際、家ではintuos2、職場ではFAVOなんぞを使っていたりするのですが、こう、未だにあまり慣れないんですね。
タブレットを使い始めて早3、4年くらいたつはずなのですが、intuosにしてもFAVOにしても、液晶を見ながらフリーハンドでライン引いたり、色塗ったりすると、どうもずれちゃうんです。
ワシの小さい頃はパソコンなんてなかったからのう……、というほど老いてはいないのですが、絵やらなんやらは手書きで覚えたせいか、ペン先を見ないで何か描くのが結構苦手になっているのかもしれません。

で、常々「液晶タブレットほしいなぁ」なんて思いながら、家電ショップのWACOMコーナーに行って、クソ高いCintiqをいじりつつ、もうちょい安ければ思い切れるんだけどねえ、なんてため息をつく日々でした。
ところが先日、Cintiq12WX発売のニュースを目にしたんです。
さっそくサイトを見てみると、画面解像度やら感度、ファンクションキーなど内容的には特に不満のないスペック。

値段もおおよそ14万くらい、これなら冬ボで買ってもいいかも……、なんてぶつくさ言いながら計算機を叩く今日この頃です。
でもCS3も買いたいんですよねえ……、あと最近値崩れ激しい液晶モニタも24インチくらいのやつがほしいんですよねえ、ううむ。

にしても、常々思うのですが、タブレットにしてもデザイン系のソフトにしても、どうしてこう高いんすかね。
タブレットは、特許関係でWACOM以外から出しにくく、競争が生まれないのが原因とか聞きますが……。

デザイン系ソフトは「ワレ物が横行していて、その損失を埋めるために正規ソフトの価格が上昇している」みたいなことを聞きます。
が、これってひどい話ですね。
何がひどいかって、ワレ物使っている人が……、云々ではなく、なんら対処していないメーカーサイドってどうなのよ、という意味で。

ワレ物が問題だ、なんてのはネットが普及し始めたころからあがっていたことで(それ以前もあったのでしょうが、爆発的に違法ソフトが増えたのは間違いなくネットの普及のせいでしょうね)、10数年たっても未だにそこがネックになっているなんて状況がおかしい気がするんですけれども。
なら発行IDを完全にネット認証にするとか、ドングルつけるとかすりゃあいいのに。

これは単なる憶測なんですけれども、なんかメーカー側も「ある程度のワレ物が横行するのは、むしろ良いこと」くらいに考えてるんじゃねえの、なんて勘ぐりたくなっちゃいます。
Flashがはやった時、バカスカ世に出た動画のほとんどは素人が作ったもので、おそらくはそのほとんどがワレ物で作られたはずです。
ところがワレ物が横行した結果、当時のMacromediaはWEBの動画標準(FlashPlayer)を絶対的なものにし、ソフトの知名度も上がり、結果的に正規版の売り上げに貢献していたような気も。

そういや最近、ニコニコ動画やYouTubeなどで著作権の問題が話題になっていますが、未だに大きな裁判沙汰になっていないのにも、ちょっと訝しい感じがしますね(裏でJASRACがどうの、版元がどうのってやっているみたいですが)。

一部のユーザーから「ニコ動で(違法)動画があがって流行り、それがDVD売り上げにも貢献しているんだから、メーカーもごちゃごちゃいうなよ」みたいな話を聴きますが、これはコンテンツ制作者には納得のいかない話のはず。
そもそもコンテンツに投資されたお金の「元」は、DVD売り上げやらグッズ販売やらで回収できない「元」の場合もあるはずですし(テレビCMの広告元とか)。

ですが、こういう意見があながち100%間違っているとも思えないのが、臭いんですよね。
要は2本の二次関数的な曲線があって、こういった動画アップロードサイトによるプロモーション効果(右上がりの線)とDVDの売り上げや番組のCM効果(右下がりの線)が交差する点まで、メーカー的にも違法アップロードは問題視せず、ぎりぎりのところで動画削除などすればベターだね、みたいなのがあるような気も。

こう考えるとデジタルの世界で未だ解消されない「グレーでもやもやした部分」って、案外裏をたどると世間的に権利を侵害されている側の要求なんじゃないの、なんて。
いえ、憶測なんすけど。

いずれにしても、日ごろあまり物欲のないあたくしですが、ここ最近登場しているソフトやハードにはわりと食指を動かされている今日この頃です。
え? VISTA? そんなの1mmも興味ありません。


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[後日談]
結局買いました
http://www.w-room.net/2008/01/cintiq_12wx_1.html

2007年11月18日

「だって愛している」と「日常」、あるいは最近の出版物について

だって愛してる・日常

最近本の購入は半分くらいアマゾンさんまかせのあたくしですが、今日、ぽっくりわすれていた注文のブツが届きました。
アマゾン、分割にすると送料高くつく場合があるんで一括購入しがちですが、予約の品があると思いのほか到着が遅れるたりするのが困りますね。

で、届いたのが「だって愛してる(2)」と「日常(2)」という漫画本なのですが、奇遇なことにどちらも2巻。
ジャンルも内容もまったく違う内容の2冊ですが、個人的に似ている部分があるかも、と。

どちらも2巻、連載物としてはまだまだ"若い"はずですが、世界観や表現は確立されています。
「だって愛してる」は4コマらしいテンポの良いジョークと"泣かせる"ヒューマンドラマ、「日常」はできのよい不条理ネタをやわらかいタッチの絵と一般的な利用法をあえてはずした漫画的表現で"違和感"を描くスタイルで固まっています。
訴求ポイントが明確なので、読者も安心して購入できるかと。

帯のコピーも良いですね。
「だって~」の方のコピーは、

「君がいるから 俺を好きになれた
むんこにまた泣かされてください」

とあります。
0.5秒考え、1秒後に理解する「ちょうどいい1拍感」は1巻の「パンチの届く距離にいて」に通じるところがありますね(同じ担当がつけたコピーなんでしょうね)。

一方「日常」の方はシンプルに

「平凡≠日常」

とあります。
これも1拍おくと「平凡じゃない内容なんだろね」と思わせる軽やかなコピーですね。
ちなみに帯の背表紙にあるコピーは「非常口」、不条理漫画であることを前面に出していますね。

もうひとつ、個人的にこの2冊に共通しているなあ、なんて思っている点に「一見さんに優しい」ことがあげられます。
4コマ漫画はおそらく、読者層が20~30代女性(>男性)で、かつ1作家の連載ページ数が少ないこと、購入シーンが「特定の連載があるから購入する」わけではなく「何気に手に取る」であろうことから、一般的に「一見さんがぱっと読んでも内容がわかるようにできている」ことが多いように見受けられます。
例えば各連載のはじめの1ページには、キャラクターと内容が一発でわかるようなセオリーどおりのネタが掲載される場合が多く見受けられます。
例えば学校モノで「子どもじみた先生」と「大人びた子ども」の掛け合いを楽しませる4コマであれば、1ページ目にはおおむね、先生がボケて子どもが突っ込む、といった内容のものを持ってきます。
すると初めてその作品をみた読者でも、「こういったキャラクターとネタの漫画なんだろね」と一発で理解できます。

「だって愛してる」の場合もごたぶんにもれず、1ページ目に「売れない小説家の夫を奥さんがはっぱかける」といった4コマがほぼ入っています。
ストーリーモノになっている4コマであっても、この1ページがあるだけで、一見さんもすうっと入ってこれるはずです。

方や「日常」ですが、これは独特な世界観のため、一見すると連載をはじめから読んでいないと理解しにくいのでは、とも思えます。
が、よくよく見てみると、ネタで成立するために必要とされている要素はほとんど「続き物」としてみなくてもよいものが多いんですね。
キャラクターやストーリー上の過去を起因としたジョークの場合、それぞれを知っておかないと理解できないのですが、「日常」の場合はコマ運びの面白さや漫画的表現の「ゆれ」におかしさがあるため、一見さんでもわりとすんなり入り込めるのではないでしょうか。

だって愛してる・日常

そんなわけで、偶然同じ日に届いた漫画2冊の共通点などということを無理くり並べてみましたが、ふと思ったのですが最近の漫画って、長大なものが多すぎるような気がしてなりません。
ある連載漫画の5巻とか13巻とか、ふと引き抜いて読み、楽しめるものって少ない気がします。
雑誌の売り上げや「単行本で回収する」システムなど色々な足かせはあるのでしょうが、どうも「囲い込んだユーザー以外楽しめない」漫画が増えているような気がするのですが、どうなんでしょう。
出版業界の話で言いますと、最近、やたらとケータイ小説やらの勢いが増していて「やべえ!」と思っている人も多いようですが、なんでまたろくに編集もされていない、レトリックのかけらも見当たらないような文章が支持を受けているかというと、携帯という手軽さやネットのマーケティング効果云々もあるのでしょうが、個人的に思うのが「章立ての細かさ」じゃないかと思うんですね。

一度に読むべき文章がほどよく、手軽であること、というのは現代の大衆メディアに不可欠な要素のひとつに思えます。
エンターテイメントがあふれかえっている時代に、ひとつのコンテンツに割ける時間が限られているユーザーに訴求するには、内容以前に「見せ方」「消化方法」を整えてあげることも必要なのかと。
で、4コマなんてそういう意味では、漫画というジャンルの中でもとりわけ「回転」のよいジャンルで、忙しい大人にも入り込みやすい分野に思えます。
が、どうも最近新しく発刊されている4コマ雑誌を見る限り、続けて読むことを前提としたストーリーモノが多く、一見さんに優しくないものが増えているような気がします。
コンビニなどでふとストーリーモノが多い4コマ雑誌をパラパラと読んでみても、内容がよくわからず、その回だけみてもキャラクターの特徴がうまく把握できないものが多いんですよね。
憶測ですが、「あずまんが大王」など、「ストーリー系の長編にできる漫画(=ヒットすれば連載を長引かせられる。ネタに詰まらない)」4コマが成功したせいで、「一見さん」に優しくないものが増えているのではないでしょうか。

無論、それはそれで良いのでしょうし、すべてが一見さんにやさしく、1話完結的にする必要はないのですが、はたして4コマ漫画を購入する層の要望にこたえられているのか、ふと疑問におもうこと
があります。

で、漫画は長大なものが増えているのですが、小説やライトノベルでヒットするものは簡単でシンプル、キャッチーで奥の浅いものが多いように見受けられるのですが、どうなんでしょう?
一応、ヒットした小説や話題のエッセイなどは本屋でパラパラとチェックしているのですが、どうも強くひかれるものがないんですね。
例えば先日、映画化決定・作者渾身の一冊、みたいなPOPつきの本をたらりと読んでみたら「余命いくばくかの女の子が初恋の男に再会するために昔住んでいた街に。そこにある変化の違和感を感じながらも男との時間をいつくしみ、その時を迎える」みたいな内容で、非常にがっかりしました。
平成も20年が過ぎようとしているのに、昭和から変わらないぬるくさいオールドタイプのメロドラマ小説やインパクト重視の怪奇・猟奇ものの小説ばかりが平積みされているというのはいかがなもんなんでしょう?
こんな内容に金と時間かけるならケータイ小説で満足だよね、なんて。

どうも出版不況だなんだと業界がバタバタしているのは、必ずしも他のエンターテイメントが普及したからだけではないように思うのですが、どうなんでしょう。
「売り」のコンセプトがどうもビジネス寄りで、現在の読者が求める「ピッタリ」が見えていない気が。
もちろんうまく「ぴったり」を理解しているところは、きちんと訴求をしぼってブツを出し、売り上げを上げているはずです。
たくさんの「ぴったり」なエンターテイメントが世に登場することを期待するばかりです。

2008年01月06日

Cintiq 12WX購入&レビュー

先日、Wacomの液晶タブレット・Cintiq 12WX買おうかなあ、と迷っていたのですが、購入しました。
最後まで「12WX買おうか、ちょっとがんばって21買おうか、それとも出る出ると噂のCintiq 20WX出るまでまとうか……」と家電量販店のお試しコーナーで落書きしながら迷っていたのですが、あんまりでか過ぎても置きづらいし、こういうものは勢いだよね、そうだよね、ということで購入を決意。
(実は12月には買っていたのですが、なかなか時間がとれず触れずじまいでした……)

価格.comを見たら、日ごろは他店に圧倒されっぱなしのビックカメラが、珍しくポイントつきだと最安だったためこちらで注文。
ちなみに店頭では買わず、通販です。
価格は13万くらいでしたっけ? 13%還元で2万近くポイントがついたので、「ニンテンドーDS」へとコーディックしました。
やっと時代に追いつきました(FF3やるためだけなんすけどね。このリメイクいいですね、3Dになっているものの、良くも悪くもファミコンのまんまです、なつかしい)。

で、注文した品が到着。

箱

お、でけえ。
箱、無駄にでかいよ、ビッカメさん……。
まあお高いものですので、このくらいしっかりと梱包して送ってくださるのは、ありがたいっちゃあありがたいですが……。

本体

ちなみに実際の商品の箱はこのくらいの大きさ。
これでも店頭から手で持って帰るのは割とめんどうかもしれませんね。
液晶モニタとかって割りと重いんですしね。
そういやこの前、秋葉原で液晶モニタのG2400Wを買って帰ったら、筋肉痛に……(老いとはつらいものですね……、運動しないとなあ)。

コンバータ

こちらはコンバータ(?)。
今までの液晶モニタとの違いはこれらしいですね。
こちらに色んな機能を詰め込んだため、モニタ自体の重さ厚さが減らせたのだとか。
こちらを経由してタブレットとPC本体をつなぎます。

芯取り

上はペンの芯をとるための道具です。
僕はいままでintuos2をつかっていたのですが、ペンの芯を取るツールなんてありませんでしたのでペンチなんかで抜いていました。
時代も変わったものです。

比較

左はintuos2のミドルサイズ、右が12WX。
サイズ的にはそんなに変わりませんね。
うちの机は奥行きが狭いので、キーボードを置くことを考えるとこのくらいのサイズが収まりよくていいですね。
ちなみに厚さもほぼ同じ、重さはやっぱり12WXの方が倍くらい重いですが取り扱いに苦しむほどの重さじゃないですね。

モニタ

12型ということで、モニタのサイズは体感的にもかなり小さく感じちゃいます。
画面ではPhotoshopにYahooのキャプを取ったところですが、右にパレット類を置いておかなくても全画面写らないくらいと思っていただいてよいのかと。
結構窮屈感はありますので、WebをブラウジングしたりOffice系のツールを使うとかなりストレスがたまると思いますが、基本これをメインモニタにすることはないはずなので、絵を描くためだけのものと考えれば十分かなあ、とも。

ただ僕などは、わりとどのソフトを使うときも、パレット類は固定の場所において置かないと気がすまないたちなので(パレットを見ずに、意識せずポイントできるようにしておきたいんですね)、デザイン系のソフトによってはかなり厳しいかもしれません(Flashとかプロパティとアクションをオープンしていたらステージが表示されないかも……)。


んー、では早速絵の描き心地を試してみるかなぁ……。

あ、ちなみに液晶タブレットを買おうと思ったきっかけが、「6年も板タブ使ってるけど、うまく描けないっす……」という情けない理由からでした。

で、12WXですが、やはり線の入りと出を見ながら描けるというのはいいですね。
ああ、でも、「それがどのくらい絵のクオリティーに影響すんの?」と思われるかもしれません。
ということで、例として女性のバストアップ(斜め)を描いてみますね。


■intuos2の場合
絵1




……なんかうちのサイトでいつも描いているようなヘロヘロ絵ですね。
って当たり前か、今まで使っていたタブレットなんだし。

で、次はCintiq 12WXを使って同じモチーフの絵を描いてみます。











■Cintiq 12WXの場合
絵2


なんという差。
かなり絵柄が違って見えます。
下手をすると、これが同一人物を描いた絵だとは思われない可能性もあります。

……まあこれはおいといて、やっぱり結構描き心地が違います。
一番の違いは「目で見て線を追える」ところですね。
って液晶タブレットなので当たり前っちゃあ当たり前なのですが、これが板タブからの乗換え組には新鮮に思えます。

今まで、例えば円を描こうとしたとき、初めにペンを入れたところからつつーっと線を引き、最後に初めの位置でペンを抜こうとするのですが、これがなかなかうまくつながらないんですね。
で、結局なんとかつなげようと無理をすると円がへろへろになり、うまく丸にならなかったり。

液タブの場合、これが楽なんですね。
線が意図どおり描ける、これは大きな変化です。
これは絵を描くためだけでなく、例えばマスクかけする時やパスを切る時に、板タブより数段早く作業できそうですね。

んー、絵を描く仕事をされている人にとって、板タブと比べどのくらい作業効率があがるのかは、ちとわからない部分がありますが……、例えば編集の仕事なんかでは割りと、パス切ったりといった作業は多かったり。
いわゆる大人の言いわけ的なお決まり台詞「物理的に時間がかかってしまう」作業が楽になりそうです。
ん? 楽になったら言い訳できないじゃん、だめじゃん。
ああでも、こんなツール、職場に一人一台なんて用意しないよね、安心安心。

ええとなんだっけ。
そうそう、液タブのよさですね。
絵の描きやすさはかなり良い感じです。

あと、液晶画面がわりと頑丈なのもいいですね。
手をのせても、筆圧を強めて描いても、モニタに影響はないようです。
一昔前の安い液晶って、こう、軽く力を加えただけで表面がゆがんで見えたりしたものです。
12WXの表面は、丈夫で傷もつきにくい感じです。
(一応、保護シートは張っていますが、市販のシートを張っても描き心地はさほどかわりません)

というわけで個人的には割りと好感触な12WX。
でも難点もあります。

上

これはintuos時代からの問題ですが、wacomのタブレットはほんと、四辺に弱いです。
ペンを画面の端のほうにもっていくととたんに動作が悪くなります。
例えばパレットを上の端に持っていこうとすると、ガクンと変なスライドをしてバーが上の端を越えたり。
こういう小さな動作のおかしさが、小さなストレスになります。

下ポイント

さらによろしくないのが、液タブ下のポインティングの悪さですね。
これは色んなレビューサイトにもありましたが、想像以上にダメダメです。
上の写真はペンをモニタに接触させた状態ですが、ペンの先と画面上のポインタの位置がかなりずれています。

実際絵を描いていると体感的にかなりの異常を感じます。
特に画面真ん中らへんからつつつーと下に線をスライドさせていくと、線がねじまがってしまいます。
板タブですと視線がモニタにいっているので、もしかすると自然に位置調整しちゃうのかもしれませんが、液タブの場合、感覚が「紙に描いている」気分になっているので、余計にズレを感じちゃいます。
ここらへん、どうにかならないんですかねー、ううむ。

まああれですね、これは「絵はキャンバスの真ん中で描こうね」という、単一商品の特許で華族商売をされている会社からの暗黙のメッセージなんでしょうね、とほほ。

あと、これはまあ仕方がないのかもしれませんが、色の再現度はあまりよろしくありません。

■12WX
色比較1

■液晶モニタ
色比較2

上の写真だとわかりづらいと思いますが、普通の調整をした普通のモニタと比較すると、12WXは輝度・彩度がかなり低く感じられます。
(RGBのものをCMYK変換したくらいの暗さの差を感じます)

デジタルデータの場合、印刷物はいずれにしても色校などで色確認をしないと判らない部分がありますが、WEBサイトなどのための作成物であっても、別モニタでプレビューしながら色確認しないと、厳しいかもしれませんね。

ランプ

あと、左上のランプがかなりうっとおしいです。
ペンを入れる・抜くたびにランプが点滅します。
これはおとなしくテープなどでランプを隠すのが正解かと。
(上の写真は、点数のなくなったパスネットを小さく切って両面テープで張っています。プリペイドカードって薄い割には光通しにくいので便利なんですよねー。僕はこのほか、PCの電源ランプなんかにも張っています。寝オチしたとき光っているとうっとおしいんですよねえ)

トラックパッド

それから、右のトラックパッドのうざさが気になります。
左利きの人にも対応するためのブツだと思いますが、キーボードを前においたとき、ちょうど右手がのる位置なんですね。
で、右手が通過するたびに反応しちゃって、思わぬ動作にいつも驚かされます。
こちらもおとなしく右のトラックパッドを無効にするのが正解かと。


そんなわけで、良いところ、悪いところ、色々ある12WX。
まあ仕方ないですね、ことタブレットに関しては基本、Wacom様にお頼みするしかないわけですし、「これが現状の技術の限界じゃい」といわれればそれまでございます。
次に買い換える時にはもっとすごいのがでているといいなあ、なんて。


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